夏に写真を撮ると、いつも幽霊が写り込んでいる。
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心霊写真が撮れた。
写真を撮ろう。ある日突然そう思った。
被写体は、私だ。
古いカメラ片手に部屋を出て、照り付ける陽光の中シャッターを切る。
写真には幽霊が映り込んでいた。
台所の風景。
今日も心霊写真が撮れた。
こんなにも堂々と映り込んでいてはちっとも怖くないし、
邪魔になるからやめてほしい。
バス停、風見鶏、東向きの風が頬をなでる。
ずっとこうしていたい。
言い換えれば楽をして生きたい。
そのために努力しないと。
何かを残さなければ。
あなたみたいに才能があればと、つくづく思うよ。
今日も雨模様だ。
外に出る用事もないのに天気が気になる。
いっそのこと街へ出て写真を撮ってみよう。
アジサイの通りを少し歩いたところで、古びたカーブミラーに湾曲した風景が映し出されていた。
引き込まれてしまいそうで怖い。
夏風さんざめく日に海へ向かう。
車窓からの風景は次々と入れ替わる絵画のようで美しい。
私は目を伝う色彩をフレームに収めようと必死だった。
それ以外どうでもよかった。
あなたのことが憎かった。
私より頭が良くて、運動ができて、背が高くて
、絵が上手くて・・・
ずるい。友達じゃなくて敵だった。
あなたはいつも私の先を往く。
あなたの前では、私は手も足も出ない。
動くことすらできない。
無数に並ぶ鳥居の間を点景となった幽霊が、奥へ奥へと突き進んでゆく。
このまま行ってしまうのではないか。
何故か不安が胸を刺すような気がして、私は必死に後を追うが、足が速くて追いつけない。
心地良いとは言い難い生ぬるい夜風が、頬をなでる。
音楽が心を満たすように、絵画が涙を誘うように、
写真にも独自の美しさが写し出されると思うのです。
構図と色彩で詩を綴ることができると言えば、あなたは理解できるだろうか。
夕日に向かってシャッターを切る。
宝石のような光の柱がレンズに差し込む。
その光線が風景を、時間を、私を貫いて、動けなくする。
数秒経って、ようやく思い出す。